日常のミルククレートがアート空間を創造

「Poro City」:再利用とデザインの可能性を探る

日常のミルククレートを使った展示デザイン「Poro City」。Chieh-Ting、Yushan Martha、Kyoung Eunというデザイナーチームが、再利用とデザインの可能性を追求したこのプロジェクトは、ユニークな視点と創造性が評価され、2022年のA' Interior Space, Retail and Exhibition Design AwardでIron賞を受賞した。

「Poro City」は、ロサンゼルスの多様なコミュニティとの対話を提案するプロジェクトである。ミルククレートをレンガのように積み重ねて展示空間を作り出し、その柔軟性を活かした様々なデザインオプションを提供する。また、ミルククレートのすぐに認識できるアイコン性が、幅広い観客にアプローチ可能な空間を生み出す。

このモジュラー式のクレートシステムは、簡単かつ迅速に組み立てられるように設計されている。ボランティアの協力により、展示の壁全体を1日未満で建設することが可能だった。COVID-19の影響で多くの人々が屋内にとどまる中、Helms Bakeryでの展示会の準備は一緒に作業する貴重な機会となった。

「Poro City」は、33 cm x 33 cm x 28 cmのミルククレート1100個を使用し、200平方メートルのギャラリーに分散配置されている。この展示は、ミルククレートという日常的なユーティリティアイテムを使って、人々が平凡なものから非凡なものを創り出す能力を示すことを目指している。明るく予想外の色彩が素材を一層引き立て、新たな視点で見せる。

このプロジェクトは、ロサンゼルスの各地で展開できるデザインを求めるプロジェクトブリーフに触発された。場所に関係なく認識可能なデザインを目指し、それぞれのユニークな地域とつながる空間を創造した。その結果、適応性と認識性を兼ね備えたミルククレートを主要な建材として選び、穴あきの壁を形成することで、展示と場所の間の体験的な関係性を強調した。最終的に、鮮やかな色彩の中に迎え入れる、活気ある展示空間が生まれた。

しかし、プロジェクトには困難もあった。Tik Tokで流行したミルククレートチャレンジの影響で、展示の壁に登ることを防ぐため、座席を展示壁とは別の要素として扱うことにした。それでも、この展示はミルククレートの再利用という視点から、人々が日常の物から非凡なものを創り出す能力を称賛している。

このように、「Poro City」は、再利用とデザインの可能性を追求した結果、日常のミルククレートがアート空間を創造するという新たな視点を提供している。これは、デザインが持つ無限の可能性と、日常の物の再解釈による創造力を示す一例である。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Chieh-Ting Chuang
画像クレジット: Photo credit: Dylan Corr, Kyoung Eun Park Video Credit: Martha Kriley. Gary Doran Graphic Credit: Nick Imbriale, Christopher Manzano, Philana Kim
プロジェクトチームのメンバー: Chieh-Ting Chuang Martha Kriley Yushan Men.
プロジェクト名: Poro City
プロジェクトのクライアント: Architecture for community Los Angeles


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